2016年6月11日土曜日

シャーロック・ホームズの不均衡 / 似鳥鶏

最近、夏という感じの暑さですね。
ジメッとしていて、しかもうだるような感じ、苦手です。でも汗をかくのは大好きです。


似鳥鶏の「シャーロック・ホームズの不均衡」を読み終えました。

この本は本屋でオススメされていたので読んでみました。
本は図書館で借りるくせに、本屋って好きなんです。特にポップが書いてあるのが好きです。手書き感のあるものが好きですね。買う買わないは別でとりあえず手に取ってみます。ただ、買いはしないんですけどね・・・。

で、本作ですが、最初に注意することがあります。
裏側に書いてある「あらすじ」を読んではいけないです。
普通はこのあらすじを元に読む読まないを決めるのですが、このあらすじが要約?って位に内容が書いてあります。
私はミステリとして読んでみたのですが、もうこのあらすじで大体展開が読めてしまい、その期待を裏切ることを期待して最後まで読んだのですが、裏切られることはなかったですね。

本の内容は複数の事件が起きるのを解いていきます。
短編の感覚で読めるので読みやすいです。また、キャラも嫌な奴がいないので楽しめます。
ですが、私の期待していたミステリとしてはあまり良い評価を持てませんでした。

小さな事件が起きていくので切れ味鋭いトリックを期待していたのですが、だから?と思ってしまうトリックばかりでした。
これらのトリックに納得感がいかないのにはちゃんと理由があるのです。作られた事件のため、トリックが現実離れしているのもわかるのです。でも、読者である私には、そういうのいいからって思いしかありませんでした。

謎の組織とか、よく分からない設定とかは良いと思いますが、あまり面白さには直結してなかったと感じました。
多くはないですがバトルシーンとか戦うメイドさんとか執事さんとかもいらなくない?と思っていました。
ストーリもあまり感情移入できませんでした。というか現実離れしすぎない微妙な現実離れ感でうまく入り込めずに軽かったです。

ただ、これらの感想はミステリとして期待した私が悪いのであって、コミックのような感覚で楽しむものという前提で読めば楽しめると思います。
ミステリとしてはオススメしませんが、軽い読み物としてであれば楽しめるかと思います。

2016年6月4日土曜日

満願 / 米澤穂信

自宅勤務制度を利用してみたのですが、想像よりも楽ではなかったです。
通勤がないのは良いのですが、どれくらい待機していないとダメなのかわからないので、疲れてしまいました。


米澤穂信の「満願」を読み終えました。

色々な賞を取っているし期待していたのですが、ちょっと期待と違いました。
私が持っている米澤穂信のイメージはちょっぴりビター。ですが、本作はがっつりヘビー

短編集です。
そしてジャンルはミステリー。これは間違いないです。短編の中で切れ味鋭い驚きを提供してくれます。それぞれが個性的な展開で、こちらの期待を裏切ってくれました。

ですが、全作に言えるのですが、暗い。そして、重い。暗いだけならともかく、重いのが読んでいて辛い気持ちにさせてくれました。しかも、怖いんです。読み終わった後に、こわっと思わせてくれる、そんな作品ばかりでした。

具体的に何が怖いかを書くと驚きをなくしてしまうため書きませんが、全作後味の悪さが印象に残って、すっきり読み終わらせてくれないです。驚きはするのですが、そっちの方向に行ってしまったかーという感じで、どんよりさせてくれます。

一見褒めていないようですが、それだけ感情を揺さぶってくれる作品ばかりであるということは間違いようのない事実です。
重くて暗い気持ちにさせてくれる作品が苦手な人は避けたほうが良いと思います。
ですが、そういうのに耐性がある方にはオススメできます!