2016年5月28日土曜日

持たない幸福論 / pha

キズナイーバーというアニメが毎週楽しみでしょうがないです。
ちょっと変な世界観を狙っているのですが、それを無視して本筋がしっかりして青春モノとして楽しめます。


phaの「持たない幸福論」を読み終えました。

断捨離が好きで、その時にたまたま見つけた本になります。何が必要かみたいな、本当に必要なものは何か、みたいな事のヒントになればと思って読んだら人生観の本でした。
正直、内容はチラシの裏にでも書いておけばいいのに・・・という感じです。
ただ、私は共感出来る箇所が大量にあって、かなり楽しめました。

働きたくない!という気持ちがヒシヒシと伝わってきます。
私は働きたくないわけではなく、過度に働きたくないわけです。1日8時間位だったら働くのは全然苦ではないです。
その事を著者はしっかりと書いてあります。人間は忙しすぎてもダメだが、暇すぎてもダメなんだと。

暇すぎてもダメ
これは本当にその通りで、一時期仕事を干されていた時に痛感しました。暇だと1日が本当に長いんです。ネットを見てるだけだと1日持たないんですよ。限界がくるんです。だから、全く働かないのはかえって辛いんです。
ただし、時間通りに働きたくない、これも分かるのです。
人間とはわがままな生き物です。
そういう事に対しての著者なりの解が書かれています。
ただ、その解自体には共感できませんでしたが。

その他にもシェアハウスのこととか、人間の多様性のこととかが、ダラダラと書かれています。真面目な文章というよりは、普通の人がblogで書かれているようなことがダラダラと書かれているんですね。なので、読者の私も気軽に読むことが出来ました。

買う必要はない本だとは思いますが、図書館等で借りて読むのはオススメ出来ます。
大多数の人が心の中で思っていることが書かれていると感じました。

2016年5月21日土曜日

猫柳十一弦の失敗 / 北山猛邦

働ける喜びを噛み締めつつ、宝くじ当たらないかなぁ。
本読む時間とかゲームする時間がもっと欲しいです。


北山猛邦の「猫柳十一弦の失敗」を読み終えました。

前作が面白かったので、すぐに続編も読んでみました。前作に引き続き、面白かったです。直接的なつながりがあるので、前作を読んでから読むことをお勧めします。
単品で読んでも良いですが、前作を読んでからの方が楽しめること間違い無いです。

今回の舞台は過疎化の進んだ村。そして題材は見立て殺人。また王道ですが、やっぱり王道では無いですw
まず過疎化が進んだとは言っても、普通にネットも使えますし、交通の便が不便とかも無いですし、閉じ込められた感じも無いですし、古くてホラーな感じも無いです。
また見立て殺人に関してですが、こちらは見立ては見立てでも、本質はそこでは無いのかな?と感じました。

ちなみに今回は犯人が序盤でわかります。そして前作を読んでいるとより楽しめるのですが、名探偵の本領発揮です!
名探偵の本領、犯罪を未然に防ぐ。これぞ猫柳の本領です。犯罪を未然に防いでしまうと探偵としては見せ場がないと思えるのですが、いやいや全然面白い。むしろ、これが面白い。
事件とトリックと話の流れと最後のあの展開、非常に盛り上がります。キャラもいちいち個性が強くて良い感じ。

今回は途中でほんのり?あからさま?な恋の展開もあって違う意味でもドキドキしました。クンクンは本当にかっこいいよ、最後の方の展開とかかっこよすぎだよ。淡々と進んでいくのにかっこいい、クンクンはもう探偵助手でいいんじゃないかなぁ。

今回もライトな感じですが、前作以上にライトなので、ちょっと読む人を選ぶかもしれません。ラノベ系が好きな人には良いかも?
ですが、それを差し引いてもミステリー好きの方にもオススメです。
続編が読みたいなーと思ったのですが、どうも発行年月日的に続編はなさげですね。面白いので、今こそアニメとかコミックになって盛り上がって欲しいです。

2016年5月14日土曜日

猫柳十一弦の後悔 / 北山猛邦

GWで積ん読を大量に消費出来たので、気持ち良い!
毎日ちょっとづつ読むのもいいけど、面白い本って一気に読んでしまう。
途中でやめたくない感じが大好きです。


北山猛邦の「猫柳十一弦の後悔」を読み終えた。

この本は前に読んだ北山猛邦さんの本が面白かったので、たまたま借りてみました。北山猛邦さんの本はおっとりした感じの世界観とキツイ世界観の本とあるのですが、これはおっとり系です。

不思議な世界観です。まず、主人公は探偵助手を目指して、大学に通っています。探偵助手になるのに資格がいるし、名探偵はちゃんと職業になっている世界です。そんな探偵助手志望と所属ゼミの探偵とのミステリーです。舞台は、研修で来た孤島と館。王道のクローズドサークル。でも、スマホもネットも使えますw

ですが、内容は王道じゃないです。
ちゃんとミステリーのネタは仕込まれていますし、トリックもバカなと思いながらも楽しめます。まぁ、私には読み解けないトリックでしたけどね
しかしながら、そんな細かいトリックとか気にならない位にストーリーや動機が面白かったです。この閉じられていないクローズドサークルにもちゃんと意味があったのです。現代だからこそ有効なクローズドサークル、非常に興味深かったです。
また、探偵がいいんです。ちょっとじらし気味なところがあるにはあるのですが、それを差し置いても、こんなにいい探偵なかなかいないです。これぞ名探偵!

動機重視ではありますが、トリックもバカっぽく、軽く読めるミステリー。
オススメです!

2016年5月7日土曜日

その可能性はすでに考えた / 井上真偽

最近読書のペースが落ちてきたのは苦手な本が多いからだろうか。
重い話を読むと途中で休憩が必要になるんですよね、私。


井上真偽の「その可能性はすでに考えた」を読み終えました。

この本との出会いは、なんかのミステリblogだかで評判が良かったからです。
ミステリblogで評判がいいっていうのは褒め言葉だけではなく、欠点もあるんですね。
彼らは何冊ものミステリを読んでいるわけで、普通に楽しいだけだと絶賛はしないのです。
むしろ、少し気をてらったというか、変わったのを褒める傾向にある気がしていて。

ですが、本作は単純で面白かったです。

そもそもなのですが、出落ちだと思っていました。
あらすじとして、奇跡の証明を行うと探偵が言い、そのために全てのケースで奇跡以外では説明がつかないことを証明すると言っています。
これって悪魔の証明とはまた違いますが、無限のケースは出し切れない、つまり奇跡の証明は出来ないってオチは見えているんです。
そこをどう収拾つけるのかな?と思いながら読んでいました。

基本は推理合戦です。
色々なキャラが出てきて、このケースはどうだろう?って説明していくのを探偵が論破していくのです。
普通のミステリの逆パターンですね。
犯人みたいなことを探偵がやっていきます。

そして、ほどほどに面白いねーって読んでいたら、とあるシーンで衝撃を受けました。
そうきたか、いや来るとは分かっていたけど、そうきたかって。
正直オチはわかっているミステリーですが、綺麗にそのオチに持っていく流れは素直に嬉しかったです。

オススメです。
普段ミステリーを読む人にも読まない人にもオススメ出来る娯楽作だと感じました。