2015年8月29日土曜日

リカーシブル / 米澤穂信

体を動かす趣味が欲しいと痛感している今日この頃です。
先日ちょっと歩いただけで、しばらく筋肉痛が取れなかったためですorz


米澤穂信の「リカーシブル」を読み終えました。

米澤穂信に滅多にハズレなし。
(個人的に「折れた竜骨」は苦手でした)
古典部シリーズからこの著者に入り、小市民シリーズで私の中で確固たる地位を獲得した著者さんです。

何かしら怖い点がある、そんな作品が多い著者さんです。
そして、本作も怖い。
読み終わった時は怖ッと思ったものです。

この作品はとある田舎に引っ越ししてきた人たちの話です。

田舎という単語を聞くと、私はのどかなイメージを抱きます。
出身が三重のため、実家のイメージなのかもしれません。

ただ、ここに商店街という単語が追加されると、田舎の商店街、寂れた商店街、暗いイメージの田舎が連想されます。
商店街自体は「それ町」とかの影響で良いイメージもあるのですが、田舎のってつくとネガティブなイメージを持ってしまいます。
現実はともかくとして閉鎖的な、卑屈な、そんなイメージを持ってしまうのです。

そして、この田舎は後者に当たります。

読み進めると暗いんです。
主人公の引っ越し理由もあるのかもしれないし、主人公の性格もあるのかもしれないですが、暗いイメージなのです。
もちろん、著者はわざとこのイメージを作っているのですが、あまり気持ちの良いものではないです。

ですが、これはこの著者にとっては毎度のこと。
こういうもんでしょ、という感じで読み進めます。
そして、特にひねりも無く謎に関しては、想像通りの結末に到達します。

ただ、一点、本当に怖いと思う結末が待っていました。
同じ著者の「ボトルネック」に通じるものがあります。
もちろん救いもありますが、個人的には怖ッという感情の方が強かったです。

決して読んでいて楽しい作品ではないです。
この著者さんの作品を読んだことがあるのであれば読んでも良いかと思います。
ただ、読んだことがないのであれば小市民シリーズのがオススメできます。

結論、著者の作品が好きで、読むものがなければどうぞ。
個人的に冒頭の滅多にの方に入ったということです。

2015年8月26日水曜日

5秒童話 / 第年秒

だいぶ涼しくなってきました、夏も終わりだと思います。
次は台風の季節です。


第年秒の「5秒童話」を読み終えました。

漫画です。
このblogで漫画を取り上げるのは初めてかもしれませんが、漫画もよく読みます。

週刊少年ジャンプは毎週読んでいます。
週刊少年ジャンプはジャンプ+というアプリで定期購読して読んでいます。
そして、そのジャンプ+でこの著者さんに出会いました。
「群青のマグメル」という作品を今連載しているのですが、これが面白い雰囲気なのです。
まだ連載中のため、本当に面白いかどうかはわかりませんが、現在冬眠中の「HUNTERxHUNTER」のような雰囲気です。
同じ著者で1巻で終わる作品があったため、試しに買ってみました。

当たり、いえ大当たりです。

買ってよかった。
kindle版を買ったのですが、これは人にも勧めたいと思い、紙の本も買ってしまいました

主人公は物語開始と同時にマンションの屋上から落ちます。
その主人公が落ちている間に色々と物語が展開するのです。
走馬灯とはまた違います。
落ちていく、つまりどんどんフロアが下に行くのですが、そのフロアの住人の様子を見て話が展開していきます。
その間に笑いあり、恐怖あり、意外な事実ありと色々な話が展開され、それが1巻で綺麗に収束します。

ネタバレが出来ないので、あまり書けませんが、読んでいくうちに、あれってそういう意味だったの?等のことが出てきて読み返したくなること間違いなしです。
何度も振り返るために、電子書籍より紙の本をオススメします。

オススメしたい人はミステリ好きです。
ミステリ好きであれば読むべき作品です。

よくミステリでもう一度全てを知って読み直したい!!と思うのですが、小説だと読むのにそれなりに時間がかかるため、読み直すのに躊躇します。
しかし、この作品は漫画なのでさらっと読み直せるのです。
決してミステリではないです、トリックとかそういうのではない、でも読み直したくなる、そんな傑作だと思いました。

是非とも読んでもらいたい、そんな作品ですッ!!


2015年8月22日土曜日

キョウカンカク / 天祢涼

生きています、かなり久々の更新になってしまいました。


天祢涼の「キョウカンカク」を読み終えました。
読み終えたのは随分前の話になるのですが

この本を手に取った理由は図書館でカタカナの本があると思って手に取ったら、ミステリっぽかったからです。
著者さんの他の作品は全然知らないです。
メフィスト作品でもあったので、当たり外れが大きいのであろうと思いながら読み進めました。

主人公はあまり個性のない方です。
探偵役の方の個性もそれほど強いとは感じませんでした。
共感覚という個性です。
共感覚とは一つ感じる時に他の感覚でも感じるというものです。
例えば、この方ですと音が色でも見えるというものです。

正直に申しまして、この個性をどう探偵業に生かすのか全然わかりませんでした。
そして、あまり生かせていないのではないか?と読み終わった時に思った次第です。
ただし、それは探偵としてであり、他の部分では生かせていたのかな??

うーん、読み終わった時には正直、うーんという感想しかもてませんでした

つまらなくはないと思うのです。
ただ、だから?という感じになってしまいました。
犯人はふーんという感じですし、トリックはそんな無茶な...という感じですし、探偵さんはえー...という感じですし。

確かに色々と伏線を張っているのは感じたのですが、正直あまり驚きも感動もありませんでした。
かるーく読むのに良いのではないかと思います。

続編があるようですので一応読もうと思っています。