2014年12月21日日曜日

丸太町ルヴォワール / 円居挽

気づいたら寝ていて目覚ましでも起きれないほど熟睡してしまいました。
ちょっと疲れているのかもしれません。


円居挽の「丸太町ルヴォワール」を読み終えました。

この本は面白かった。
純粋にエンターテインメントとして面白かった。
ジャンルとしては推理物になります。

本との出会いは正直覚えていないです。
作者さんのことは失礼ながら全然知らなかったのですが、このシリーズの事は片耳にはさんだのか記憶にあって読んでみました。

最初に面白かったと書いたのには理由があります。
読みやすいのです。

キャラが皆立っているし、セリフが小気味好いですし、全般的にカッコイイのです。
麻雀ネタは正直意味がわからない事もありましたが、それ以上に舞台設定、キャラ設定と非常に個性的で良かったと思います。

物語は公式の裁判ではなく、伝統はあるが、こっそりやっている私的な裁判みたいなものが進んでいきます。
そして、その裁判を色々なキャラの視点から見ていくことになります。
まぁ、弁護士側の視点ですが。
話はほとんどこの裁判だけです。

正直騙した方が勝ちな裁判なのですが、お互いが色々と騙し合って、かなり先が気になります。

そして、読者も騙されるのです。
非常に綺麗に騙されるのです。
しかも、何度も。
さらに言うと、騙され方に腹が立たないのです。

何より、この作品は小説でしか成立しないと思います。
映画、漫画などその他のメディアだと成立しないと思います。

たった二人の意地と意地により、物語は始まり、終わります。
この二人に、まわりのキャラたちが振り回されながらも、話は進んでいき、そして様々な事実が発覚し、綺麗に着地します。
綺麗に着地するのです。

推理物ですが、誰にでも勧められる本だと思いました。


私はこの本に出会えて嬉しかったです。

2014年12月14日日曜日

一つ屋根の下の探偵たち / 森川智喜

選挙でしたね。


森川智喜の「一つ屋根の下の探偵たち」を読み終えました。

正確に言うとだいぶ前に読んだ本ですね。
この本との出会いは、森川智喜さんの本を読んでるうちに見つかりました。
この作者さんは「キャットフード」、「スノーホワイト」で知ったのですが、文章が読みやすいと思います。
まだ若い方なので、文章が古臭くなく、また視点が独特で好きな作家さんになります。

で、この本ですが読み終えてびっくりしました。
確かに他の本も独特なのですが、このトリックは全く読めませんでした。
タイトルからわかるように推理小説なのですが、他の推理小説と全然違うと感じました。

何が違うかを書いてしまいますと、ネタバレになってしまうので書けないのですが、トリックを知った時に、絶句した覚えがあります。

本を読みながら積み立ててきた世界が一気に崩れ去り、綺麗に再構築されたのです。
正直な話、読む人によっては怒るかもしれません。
ですが、視点を変えたら綺麗に収まるのですから、恐ろしいものです。

簡単にあらすじを書きますと以下のような感じになります。
作家見習いと探偵二人がルームシェアをしていたときに、作家がネタのために現実の事件を探偵に解かせて本にしようとしました。探偵は真面目なアリタイプと、出来るだけ手を抜くキリギリスタイプの二人です。事件は密室殺人事件。犯人はいかにして殺人を起こしたのか? 
ポイントは探偵が二人いることです。
片方が真面目だけど実力は微妙?で、片方は手を抜きたがりだけど実力はある。
この二人の推理合戦となります。

本の最初から「アリとキリギリス」を引用していましたが、まさかトリックにあんな風に関係しているとは...
脱帽いたしました

現実では全く使い物にならないトリックですし、探偵が何もしなくても時間が勝手に事件を解決に導いたと思います。
しかし、読者にそういうことは関係なく、純粋に驚きを与えてくれたことに感謝したいです。

余談ですが「夏休み最後の日のキリギリス」という言葉は名言だと思いました。
私にぴったり

これからも、この作家さんを追いかけていこうと思います。

2014年12月7日日曜日

あたらしい書斎 / いしたにまさき

寒かったのでエアコンをつけてしまった。
例年より早い気がします。


いしたにまさきの「あたらしい書斎」を読み終えました。

この本との出会いはAmazon kindleセールのお知らせでした。
毎日送られてくるメールに載ってたので読んでみました。

読んだ感想より記憶に残っていることがあります。
IKEAの宣伝?って位IKEAの事が出てきました。
具体的な製品名も出てきますしね。

肝心の内容ですが、ちょっと期待していたのと違いました。
ただ、これは意外な内容とかがあると面白いので問題ないです。

私としては書斎の具体的なレイアウトとかそういうのを期待していたのですが、そういうのは一部分であまりなかったですね。
もちろん、そういうのもありましたが、レイアウトというよりは、過去の人の書斎の話の方が興味深かったです。
江戸川乱歩の書斎とか、一畳の書斎とか。

クラウドの話も出てきますが、2012年の本なので今だと結構常識なところがあります。
今更、自炊って言われても。
ちなみに私も結構自炊はしたのですが、kindleが流れに乗ったので、そっちで十分だと思いました。
書類とかはまた別ですけどね。

上で自炊と書きましたが、本書では本棚の事がしょっちゅう出てきました。
紙の本と電子書籍の良いところ、悪いところを書いてあってケースバイケースだというのは同じ考えでした。
ただ、書斎と本は関係ないとは言いませんが、本がなくても書斎は存在すると思うのですが、本好きな人が多いからしょうがないかなと思いました。

余談ですが、私は断捨離で本はほとんど処分して、電子書籍に移行しました。
また、物も減らしています。
レイアウトの参考になるかと思ったのですが、そういう意味では参考になりませんでした。
もっと色々な人の書斎がみれると良かったなぁ、と感じました。


読んでいたら、もっと断捨離したくなってきました。
本の内容とは全然関係ないですが。